季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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第76回 ヒマワリ 〜夏が似合う元気の象徴〜

店頭に並ぶ様々な品種のヒマワリ

店頭に並ぶ様々な品種のヒマワリ

夏の日差しが一番似合う花と言えば『ヒマワリ』を想像してしまうほど、夏のイメージが強く、力強いパワーを感じる花です。ヒマワリは、英語で「サンフラワー」学名は「ヘリアンサス」。これらは「太陽の花」を意味する言葉です。

私たちも、元気を連想させる花として、ヒマワリを復興のシンボルフラワーの一つと位置づけています。東日本大震災で被害を受けた名取市の皆さんを応援しようと、昨年、今年と、関東などで育てていただいたヒマワリの苗を名取市に贈っています。地元の皆さんと一緒に育てながら、ヒマワリで地域と地域、人と人をつなぎ、元気と笑顔を育んで地域復興の活力を生み出していこうという活動です。

さて6月から8月の間は、フラワーショップの店頭はヒマワリの明るいビタミンカラーで彩られますが、いつから切り花として扱われるようになったかご存知ですか。実はたった約20年前です。もともとヒマワリは花が大きく、茎も太く、たくさん花粉が出ることから切り花向きではありませんでした。

そこで品種改良が行われ、無花粉ヒマワリが作られました。無花粉になったことで、花の日持ちも良くなり、衣服を汚すなどの心配をせず、気軽にヒマワリのアレンジメントや花束を楽しむことができるようになりました。夏の暑い中でも部屋を明るく飾ってくれます。また贈り物にも鮮やかなビタミンカラーが夏らしくとてもおすすめです。

約20年前から、種苗会社・産地・市場・小売がタッグになって切り花としてヒマワリを流通させる努力を続けてきたことで、今では八重咲や茶色のヒマワリなど変わった新品種が生まれ、よりヒマワリを楽しむことができるようになりました。現在市場に出荷されているヒマワリは明るいイメージがほとんどですが、シックなカラーの品種も増え、今までになかった大人っぽい奥深さを備えていて、注目されています。様々な趣を持ったヒマワリができると、アレンジメントのバリエーションも広がるのでとても楽しみです。

日比谷花壇 マーチャンダイジングディレクター 小野瀬 景

 コラムニスト紹介

小野瀬 景
生花マーチャンダイジングディレクター
店頭販売での長年の経験を活かし、日比谷花壇の首都圏店舗の生花マーチャンダイジングディレクターとして、お客様が求める、またお客様に新たな発見や感動を提供する商品展開、お客様と生産者を結ぶフェア展開を手掛ける。