季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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第104回 敬老の日 〜「元気でいてね」思い込め〜

プリザーブドフラワーなどを使った壁かけタイプのアレンジメント

プリザーブドフラワーなどを使った壁かけタイプのアレンジメント

 うだるような夏の暑さもようやく終わりが見えてきて、朝晩は秋の気配を感じられるようになってきました。夏の疲れがどっと出てしまうこの時期、待ち遠しいのは9月の3連休です。9月15日だった敬老の日が、2003年からハッピーマンデー制度の実施で、9月の第3月曜日に変更され3連休となりました。敬老の日は、母の日や父の日と違い、日本が起源の日本独自の国民の祝日です。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ための祝日です。今回は、敬老の日の贈り物について、お話しします。

 敬老の日は、母の日のカーネーションのように決まった花はなく、旬の花を贈るのが一般的です。人気が高いのは、高貴な印象のバラやラン、トルコキキョウ、そして和を感じさせる秋の花のマムやリンドウ、ナデシコなどです。色づいた葉や実物をあわせ、深みのある色合いでまとめたアレンジメントは、実り豊かな秋の訪れを感じさせてくれます。

 また最近では、お手入れの手間のかからないプリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーのアレンジメントも人気があります。プリザーブドフラワーは、独自の製法により鮮やかな美しさと風合いを長期間にわたって保つ加工花です。アーティフィシャルフラワーは、生花をリアルに再現し、さまざまな素材から作り出された造花です。どちらも豊富なカラーバリエーションで生花にはない花色が楽しめたり、水もれの心配がないので、リースや絵画のようにアレンジして壁掛けにしたり、香りのサシェやお気に入りのファブリックなどと一緒に飾ったり、インテリアの一部として楽しむこともできます。一見しただけでは、生花と見間違うくらいの高い技術で作られた芸術性も、人気を集める秘密のひとつです。

 「日頃の感謝の気持ち」と「いつまでも元気でいてね」という想いを込めて、今度の3連休はおじいちゃん、おばあちゃんを訪ねて、お祝いをしてはいかがでしょうか。

日比谷花壇 シニアデザイナー 西澤真実子

 コラムニスト紹介

西澤 真実子
日比谷花壇 シニアデザイナー 西澤 真実子
ギフト商品デザインのコアを担うトップデザイナーのひとり。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とする。また最近では、書籍やCDジャケット撮影の作品を手掛けるなど、活動の幅を広げている。