連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第10回  フラワーアクセサリー 〜本物の花を身にまとって〜

マージュフラワーを使ったアクセサリー

マージュフラワーを使ったアクセサリー

少しでも長い時間、お花を楽しむことができたらと願ったことはありませんか。「お花ですもの、そんなの無理よ。」私もそう思っていました。でもその想いを叶えてくれる「マージュフラワー」という加工したお花が誕生したのです。

マージュフラワーは、花屋さんにお勤め経験のある、お花大好きなある女性の手から生まれました。花が七、八分咲きの一番美しい頃、水分を取り除き、樹脂で包み込んで美しさを閉じ込めることに成功したそうです。これにより、長期間にわたって美しい咲き姿を楽しむことができるようになりました。年月によって花の色も変化し、独特の風合いを醸し出します。またほとんどの植物をマージュフラワーにすることができ、開花時期が短いサクラなども、とても美しい姿で加工することができます。

美しいものならいつも近くに置いておきたい、身につけたいと考えませんか。マージュフラワーの美しさに魅了され、昨年から「自然の花を身につけるアクセサリー」を作り、日比谷花壇でも販売を始めました。花屋さんがつくる「フラワーアクセサリー」。たとえ同じ種類の花でも、咲き方や自然な花形は一輪一輪異なります。世界に1つしかない花の個性を生かしてアクセサリーに仕上げていく様も、そのアクセサリーを身につけて生活してみることも、ブーケやアレンジメントを作り、花をあしらうことと同じだけの楽しさがあります。

今までに、日比谷花壇で、マージュフラワーを使ったフラワーアクセサリーとして取り扱った花は、バラ・ガーベラ・くちなし・サザンクロス・パンジー・ラナンキュラス・サクラなどがあります。

フラワーアクセサリーを身につける場合、着たいと思う服の色からどれか一色をとって、その色と同じ色のマージュフラワーを身につけると素敵に演出できます。私の一番のおすすめは、四季に合わせた花をまとってみること。庭や公園に咲く美しい花と、身にまとっている花が同じとき、感動が生まれます。

今の時期でしたらバラは一推し。デルフィニウムもさわやかで素敵です。これらのマージュフラワーを使ったフラワーアクセサリーは、日比谷花壇のオンラインショッピングサイトの“フラワーアクセサリー”のコーナーでご覧いただくことができます。花を身につけて生活する楽しさを味わってみてはいかがでしょう。

 コラムニスト紹介

日比谷花壇 ビジネスソリューション事業統括部 営業企画部 シニアデザイナー 来本曜世

ドイツ留学時代、師と仰いだペーター・アスマン氏の「我々の仕事は、 自然界に存在するものをより美しいものへと変えることだ」という言葉に感銘を受け、 独自の来本デザインを希求。帰国後、日比谷花壇に入社。 ホテル店でのウエディングやパーティ装花を経験した後、ハウスウェディングの監修を担当するなど、 ブライダルの分野において、その抜群のセンスを遺憾なく発揮してきた。 社外においてもその創造性は高く評価され、ミュージシャンのライブイベントに ゲスト出演しフラワーパフォーマンスを行うなどマルチな活躍を続けている。