連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第9回  バラ 〜華やかな香りで癒やし〜

小さなガラスの花器に飾ったバラ‘パリ’

小さなガラスの花器に飾ったバラ‘パリ’

皆様の一番好きなお花は何ですか?

私はバラが一番好きです。
もっと変わったお花を一番に挙げたほうがたくさんの花を見ている花屋さんらしいかもしれないのですが、やっぱりバラは王道なだけあるとつくづく感じます。

まずは種類が豊富なこと。最近では2万種を超えると言われていますが、香料の原料や薬草として盛んに栽培され、突然変異や人口交配を重ね、たくさんの種類が増えたと言われています。どんな植物も香りや効能があるのは勿論のことながら、ここまで品種を増やし、多くの人々を魅了させてきたバラは、花の中の“魔女”とも言えるのかもしれません。特に香りを楽しんでいると虜になり、何度も顔を近づけてしまう行動は、皆様も経験があることでしょう。

お部屋でバラを楽しむなら、玄関やリビングも勿論ですが、化粧室もお勧めです。小さな部屋で香りを閉じ込めることができることと、比較的近くで見て楽しむことができるからです。ご自宅で無農薬バラを育てている方は、お風呂に浮かべてみてはいかがでしょう。花冠ごと湯船に浮かべると少しずつ花が開き、香りも楽しめて上質な時間を楽しめます。

また、最近人気なものでは「ローズ水」というものがあります。特にブルガリアのダマスクローズで作ったものをよくみかけるようになりました。香りも高く保潤効果に優れており、女性に支持されているそうです。

様々なかたちで楽しませてくれるバラ。私の「一番好きなお花」に輝いた一番の理由は、生きている状態でも、また枯れてしまった状態でも、いつも私たちに幸せを与えてくれるところです。紅茶やポプリになっても癒してくれるバラは、生涯のパートナーと言えるでしょう。

今では年中楽しめますが、バラのシーズンは5月中旬から6月中旬と秋の2回。ちょうどこの時期、様々な場所でバライベントをしていますので、皆様もたくさんのバラに包まれてみてはいかがでしょうか。


 コラムニスト紹介

日比谷花壇 ビジネスソリューション事業統括部 営業企画部 シニアデザイナー 来本曜世

ドイツ留学時代、師と仰いだペーター・アスマン氏の「我々の仕事は、 自然界に存在するものをより美しいものへと変えることだ」という言葉に感銘を受け、 独自の来本デザインを希求。帰国後、日比谷花壇に入社。 ホテル店でのウエディングやパーティ装花を経験した後、ハウスウェディングの監修を担当するなど、 ブライダルの分野において、その抜群のセンスを遺憾なく発揮してきた。 社外においてもその創造性は高く評価され、ミュージシャンのライブイベントに ゲスト出演しフラワーパフォーマンスを行うなどマルチな活躍を続けている。