季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。
第94回 ガーベラ 〜豊富な色と咲き方が魅力〜
ハウス内で栽培されているガーベラ
赤、白、黄色、ピンク、オレンジ。色数が豊富すぎて、お気に入りを決めるのに、時間の過ぎていくのをつい忘れてしまったり・・・。これほど色数豊富な花はガーベラくらいでしょうか。
ガーベラは現在、国内で生産されている色数だけでも500種ほどあり、世界各国で生産されている種類を合わせるととても数えきれません。さらに品種改良が盛んに行われていて、毎年数100品種以上の新品種が誕生しています。
季節を問わずに楽しむことができるガーベラは年間で2億本近く流通しています。静岡県の「浜松PCガーベラ」さんでは、温暖で豊富な日照量という恵まれた気候のなかで、全量共選共販体制を組み、さらに新機械を導入したことで、組織力、品質、生産効率の向上をはかり、全国第1位の出荷量を誇っています。
ここで生産している種類はおよそ160種。中には、色の楽しみに加えて、一重、半八重、八重や、花弁が尖ったスパイダー系など様々な咲き方別の楽しみ、そしてミニ(7〜9cm)、スタンダード(10〜12p)規格のサイズ別の楽しみがあります。全てのガーベラを心ゆくまで楽しむには、さすがのガーベラ好きにも容易ではない量です。
ガーベラを楽しむには、生花店で花弁を元気いっぱいに広げて並ぶたくさんのガーベラの中から、お気に入りのものを決めましょう。お気に入りが見つかれば後は、飾って楽しむのみ。
飾るときは、きれいな水に活けましょう。バクテリアが発生すると、茎の曲がりや、花の寿命を縮める原因になります。また水を取り替える際は少しずつ茎を水切りしましょう。道管が詰まって水揚げが悪くなるのを防ぎます。
ガーベラの茎は水に弱いので、水の量は少なめに、茎が5cmほど浸かるくらいが望ましいです。水揚げの良い花材ですので、茎先が浸かっていれば十分です。
初々しい浅緑の茎をすぅっと伸ばした先に、元気いっぱいの花びらで凛と咲く姿は、一輪挿しにいけても見応え十分。色とりどりのガーベラをその日の気分に合わせて飾ってみてはいかがでしょうか。
日比谷花壇 マーチャンダイジングディレクター 長谷川藍生
コラムニスト紹介
店頭での経験を活かし、日比谷花壇の首都圏店舗の生花マーチャンダイジングを担当。お客様が求める、またお客様に新たな発見や感動を提供する商品展開を手掛ける。