連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第58回  ブーケトス 〜会場全体がハッピーに  

ブーケトス 〜会場全体がハッピーに

アジサイやダリアを使ったウエディングブーケ

特別な想いの詰まったウエディングブーケ、ご自身のために後々まできれいに保存する方法もありますが、花嫁のあふれるほどの幸せな気持ちを、ブーケを使った演出で表現することもできます。

まずは、定番とも言える『ブーケトス』。未婚の女性たちに集まってもらい、花嫁が後ろ向きにブーケをトスします。投げられたブーケをキャッチできた幸運な女性が次に花嫁となるとされています。

それより少しマイナーかもしれませんが、ブーケトスの男性版で『ブロッコリートス』というものもあります。これは、花嫁が投げるブーケの代わりに、花婿が未婚の男性を集めてブロッコリーをトスするという演出です。必ずと言っていいほど笑いが起こるとても賑やかな演出です。

ブーケトスの場合は、あまり重さのないものや投げたときに空中分解しないようにトス用に配慮してブーケを用意しなくてはいけませんが、ブロッコリーに関しては心配せずに投げられるので安心ですね。

また、「なぜブロッコリー?」と思う方もいらっしゃると思います。実は、ブロッコリーにはたくさん房があることから子孫繁栄などの意味があり、受け取った方が健康に過ごせますようにという願いが込められています。更に、食べても美味しいブロッコリーは受け取った方に喜ばれるでしょう。

もう一つ、ブーケを使った人気の演出として『ブーケプルズ』があります。こちらも、未婚の女性に集まっていただき、ブーケに女性の人数分のリボンを付け、その内1本だけをブーケに結びます。そして、みなさんに1本ずつリボンを握ってもらい、合図で一斉にリボンを引きます。くじ引きの要領で、リボンがブーケに繋がっていた人が当たりで、こちらもその幸運な女性はブーケをプレゼントされ、次に結婚できるとされています。

ブーケプルズの場合は、ブーケが当たった方以外にも、リボンの先にお花を一輪繋いでおいたり、お守りの意味を込めたチャームを結んでおいたりすると、はずれがなく、会場全体がハッピーな空気に包まれます。

今回ご紹介した演出にオリジナルのアレンジを加えて、自分らしさの伝わるウエディングを演出するのも素敵ですね。


 コラムニスト紹介

杉本郁弥
日比谷花壇 ウエディングフラワーコーディネーター 食空間コーディネーター
都内ホテルにて、ウェディングブーケのデザイン・空間装飾&テーブルコーディネートを担当。また、ホテル婚礼パンフレットの制作に携わる。10年間で1,000組を超えるお客様のウェディングフラワーをコーディネートする。