連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第2回  バレンタインデーにお花を贈って愛の告白  〜チョコレートカラーのお花〜

チョコレートカラー

今年のバレンタインデーには何を贈るかもう決めましたか?
バレンタインデーの起源は西暦3世紀のローマ。時のローマ皇帝が兵士の自由結婚を禁止し、それに反対したバレンタイン司教が捕らえられ処刑されました。処刑された日が2月14日で、その日がバレンタイン司教の記念日としてキリスト教の行事になり、その後、恋人たちの愛の日になったそうです。
女性から男性へ愛の告白のためにチョコレートを贈るのは、日本特有の習慣のようです。
欧米では“愛の日”と呼ばれ、花やケーキ、カードなどを、「Be my Valentine」(私のバレンタインになって)、「From your Valentine」(あなたのバレンタインより)などの甘いメッセージとともに恋人同士で贈りあいます。特に男性から女性には愛の象徴である赤バラを贈ります。“a dozen red roses”と言って、12本の赤バラを贈るのが最もロマンティックだとされています。ですからバレンタインデー前には赤バラの需要が高まるそうです。こんな情熱的なメッセージと花を贈ってもらえるなんて、日本人女性にとってはちょっとうらやましい話ですね。

そこで今年のバレンタインデーには男性も好きな人へ、愛のメッセージとともにお花の贈り物をしてみてはいかがでしょうか?情熱的な赤バラももちろんですが、チョコレートにちなんでチョコレートカラーのお花もおすすめです。高級感のあるクラシカルな色合いがここ数年で人気を集めています。 名前も色にちなんだものが多くあります。バラの「ショコラ」「ホットチョコ」、香りまでチョコレートのような甘い香りを持つ「チョコレートコスモス」、カーネーションの「テラコッタ」。他の色との相性も良く、ピンクやオレンジなどの暖色系と合わせればフェミニン、エレガントな印象に。青などの寒色系とあわせれば、シック、モダンな印象に。ちょっとくすんだニュアンス感を持ち、アンティークなイメージがおしゃれ度を増します。プレゼントの箱を開けたら、中にはチョコレートとチョコレート色のバラなんて、目でも舌でも楽しめる素敵なバレンタインプレゼントですね。


 コラムニスト紹介

日比谷花壇 本社 シニアデザイナー 西澤真実子
フラワーギフトの制作に長期間携わり、ギフトシーンにおける多くのフラワーデザインを 経験。現在は、ギフト商品の部門で商品デザインのコアを担い、トップデザイナーのひと りに数えられている。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とし、 女性的で透明感のある作風が特長。独特のロマンティックな演出が、多くのファンを魅了 してやまない。また最近では、書籍の表紙デザインやCDジャケットのフラワーデザインを 手掛けるなど、多岐にわたる分野で活動を続けている。