連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第66回  スイートピー 〜春の香りを楽しんで〜  

宮崎県日南市『JAはまゆう』のスイートピー

宮崎県日南市『JAはまゆう』のスイートピー

1月も後半になり、花屋には球根類・小花・春枝などのたくさんの春の花が出始めています。お花好きにはたまらない季節が到来しました。

その中でも春の花として代表的なものが「スイートピー」です。最近では、12月〜3月位まで長く楽しむことが出来ますが、やはり品種のバリーエーションが増えてくるのは、年が明けてからの1月〜3月の期間です。

スイートピーは香りが豊かで、花弁の優しい質感が春のイメージを抱かせてくれます。また、花言葉の“門出”“旅立ち”は、スイートピーの花弁がフリルのようで、蝶々が旅立つ姿に似ていることから付けられました。

広くスイートピーの存在を知ってもらったのは、松田聖子さんが歌う『赤いスイートピー』がきっかけでしょう。しかし、歌が世に出た1982年当時、赤色の花を付けるスイートピーは存在しませんでした。とても話題を呼んだため、その後品種改良によって赤色のスイートピーが誕生しました。代表品種では、「クリムゾン」「スカーレット」などがあります。

1月、私たち日比谷花壇では、東日本にあるお店を中心に、宮崎県日南市の『JAはまゆう』のスイートピーをメインにフェアを行っています。『JAはまゆう』は、日南市の温暖な気候と豊富な日射量がスイートピーの生産に合っている地域です。毎年50品種以上の作付けがあり、原色に加え、染め品種もあります。

今回は、そのバリエーションの豊富さを、ぜひたくさんの方に見ていただきたく、店頭でAKBならぬ『STP総選挙』を行っています。50品種の中から厳選した16品種が候補品種になります。1本ずつ展示しているので、好きな品種を選んでいただき、1位がどの品種になるのかを、楽しんで頂きたいと思います。最近では、原色以外に染め品種などもあり、スイートピーにはなかなかない色もたくさん店頭に並んでいますが、やはりスイートピーはピンク系の色がとても豊富です。

春色のスイートピーをお部屋に飾って、スイートピーの優しい香りを感じてみてください。きっと優しい気持ちになれると思います。

日比谷花壇 マーチャンダイジングディレクター 小野瀬 景

 コラムニスト紹介

小野瀬 景
生花マーチャンダイジングディレクター
店頭販売での長年の経験を活かし、日比谷花壇の首都圏店舗の生花マーチャンダイジングディレクターとして、お客様が求める、またお客様に新たな発見や感動を提供する商品展開、お客様と生産者を結ぶフェア展開を手掛ける。