季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。
第51回 ドレスとブーケ 〜引き立て合わせて〜
上品なドレスには、存在感のある胡蝶蘭でデザインしたシンプルなブーケを。
色とりどりの花々が咲き誇る季節となりました。純白のウエディングドレスに身を包み、たくさんのお花であしらったブーケをお持ちになる花嫁さんの笑顔が溢れる季節でもあります。
ウエディングドレスの種類が豊富な現在、「とても迷いました」と口にする花嫁さがたくさんいらっしゃいますが、拝見させて頂きますと全ての花嫁さんがその方らしい、ぴったりのドレスをお選びになっていらっしゃる事にいつも驚かされます。夢が形となる瞬間、きっと知らず知らずのうちにそれぞれのこだわりをきちんと持っているのですよね。そして自分にはどんなものが似合うのかを、とても熟知していらっしゃると思います。
そんな思いのこもったドレスを身にまとった花嫁さんを一層引き立てる存在がウエディングブーケです。ですからウエディングブーケだけのデザインで良い、悪いと言うのではなく、いかにお互いが引き立て合うことができるかと言う点が、ブーケを選ぶにあたってとても大切なポイントとなります。
ブーケのデザインには、その名の通り、お花を集めて丸い形にする「ラウンドブーケ」や小さな滝の流れを花々で再現したような上品でゴージャスなラインの「キャスケードブーケ」、永遠に続く愛を象徴するといわれるリースの形の「リングブーケ」など、その他にも色々なデザインがあります。また、お花の種類も様々で、例えば一輪がとても大きく存在感のあるユリ、可憐で可愛らしく小さなベルの形をしたすずらんのお花など、どんなお花でブーケをお作りするかによっても全く雰囲気の異なるブーケになります。
季節を感じさせるお花の存在も欠かせません。「信じあう心」という花言葉を持つブルースターのお花は「結婚式でなにか青いものを身につけると幸せになれる」と言うサムシングブルーの言い伝えにふさわしいお花の一つです。そんな意味合いを込めたお花をあしらうのも素敵ですよね。
コラムニスト紹介
都内ホテルにて、ウェディングブーケのデザイン・空間装飾&テーブルコーディネートを担当。また、ホテル婚礼パンフレットの制作に携わる。10年間で1,000組を超えるお客様のウェディングフラワーをコーディネートする。